おすすめ書籍案内



東アジア恠異学会会員おすすめの書籍です。
怪異学をより深く学びたい方におすすめです!

(このページは、『怪異学入門』でおすすめ書籍として紹介された書籍を、
 改訂版や廃版になったものを更新し、できる限り新しい情報で紹介するものです)


最新刊「怪異を媒介するもの」にて紹介された
執筆者の主な著書紹介は ↓こちら↓ 



大江篤氏のおすすめ

『遠野物語と怪談の時代』東雅夫(角川学芸出版、2010年8月)

 怪談専門誌『幽』編集長の著者が、柳田國男『遠野物語』誕生の背景に明治後期の怪談ブームがあったことを指摘し、「怪談実話集」として再評価する。近代の怪異を考えるのに有益な書である。

『故郷七十年(新装版)』柳田國男(神戸新聞総合出版センター、2010年3月)

 『遠野物語』発刊100年を記念して復刊された「のじぎく文庫」オリジナル版。柳田國男や日本民俗学だけではなく、明治時代の民族社会が柳田の眼を通して活き活きと描かれている。なお、柳田國男の怪異に関わる著作を集めた東雅夫編『文豪怪談傑作選 柳田國男集 幽冥談』(ちくま文庫、2007年8月)がある。


島田尚幸氏のおすすめ

『資料 日本動物史』梶島孝雄(八坂書房、2002年5月)

 「資料」とあるが、読み物として十分楽しめる一書。我々の身の回りの生物が、どのような形で資料上に現れてきたのかを知る上で、重要な示唆を与える。第二部では生物学的分類法に法った並べ方で書かれている。

『日本人の動物観 変身譚の歴史』中村禎里(ビイング・ネットプレス、2006年6月)

 日本人と動物の関わり方を、様々な時代の「変身譚」という切り口で捉えた意欲的な一書。『動物妖怪談』(歴史民俗博物館振興会、2000年12月)と並び、著者の動物観の描き方を知る入門編としても相応しい。

『人と動物の日本史4 信仰の中の動物たち』中村生雄・三浦佑之編(吉川弘文館、2009年4月)

 動物を「信仰の対象」としてだけでなく、呪具や生贄としてのそれを含めることで、多角的に日本人の心性のありかたを浮き彫りにする一書。「山犬」や「人魚」などにスポットを当てたコラムも面白い。


鬼頭尚義氏のおすすめ

『江戸の怪異譚』堤邦彦(ぺりかん社、2004年11月)

 怪異文芸にはじまり宗教説話・口碑伝説など、多角的な視点から江戸階段を見つめなおした一書。著者自身が語っているように、「写真が充実している」ところも本書の特徴の一つである。

『寺社縁起の文化学』堤邦彦・徳田和夫編(森話社、2005年11月)

 寺社縁起、・高僧伝・開帳といった、あらゆる「縁起的」なものを様々な角度から捉え直した論文集。第二論文集である『遊楽と信仰の文化学』(森話社、2010年10月)も必読。

『人と動物の日本史4 信仰の中の動物たち』中村生雄・三浦佑之編(吉川弘文館、2009年4月)

 動物を「信仰の対象」としてだけでなく、呪具や生贄としてのそれを含めることで、多角的に日本人の心性のありかたを浮き彫りにする一書。「山犬」や「人魚」などにスポットを当てたコラムも面白い。


久禮旦雄氏のおすすめ

『出雲神話』松前健(講談社現代新書、1976年7月)

 古代において独特の存在感を持つ出雲国の祭祀と神話の意味を、その担い手から明らかにした松前神話学のエッセンス。『松前健著作集』(おうふう、1977年12月~1998年10月)は汲めど尽きせぬ知識と発想の泉。

『神話と文学』石母田正(岩波現代文庫、2000年1月)

 戦後の歴史学復興の中心であった著者の記紀・風土記関係論文をコンパクトにまとめた名著。著者は国家による史書に収録された神に関する歌謡から、史書に隠された国家以前の神々と、それを伝承した人々の姿を描き出す。

『神国日本』佐藤弘夫(ちくま新書、2006年4月)

 中世に大きく変動した神仏と人々の関係史を、社会の変化との関係も視野に入れ描く。国家の統制下にあった神仏が、なぜ突然語り始めるのか。著者の専門である中世の記述はもちろん、古代、近世・近代についての指摘も重要。


榎村寛之氏のおすすめ

『いまは昔むかしは今』シリーズ 網野善彦他編(福音館書店、1989~99年)

 「瓜と龍蛇」「天の橋 地の橋」「鳥獣戯語」「春・夏・秋・冬」「人生の階段」の五冊に索引編。タイトルだけ見ても十分魅力的。しかもお勧めは中学生から。歴史と古典と説話の海におぼれたい人には中毒必至のシリーズです。

『京の社―神と仏の千三百年―』岡田精司(塙書房、2000年1月)

 神社は一様ではなく、一つの神社でさえ時代によって全く違う面相を見せる。神社の重層性、仏教と不可分の関係を、最先進地の京をとりまく神社を取り上げて論じた好著。『新編 神社の古代史』(学生社、2011年)もお勧め。

『イザベラ・バードの日本紀行 上下』イザベラ・バード(講談社学術文庫、2008年)

 十九世紀後半の日本を旅した女性旅行家の日本紀行。『日本奥地紀行』が有名だが、近代化直前の都市や農村の神仏のありかたを客観的な目で見る優れたレポートである。妖怪や恠異を体感的に理解する基本文献として。


久留島元氏のおすすめ

『怪異の民俗学5 天狗と山姥』小松和彦編(河出書房、2000年12月)

 さまざまなジャンルの怪異研究論文をテーマ別に集めたシリーズの一書。本書には森正人氏らの論文も収録され、天狗研究の基本文献となっている。同シリーズには『憑きもの』、『妖怪』、『鬼』など、どれもおすすめ。

『説話の森 天狗・盗賊・異形の道化』小峯和明(岩波現代文庫、2001年9月。初出、大修館書店、1991年4月)

 説話研究の第一人者が、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』などの説話を素材としながら説話の成立、展開、深層にまで、説話を読む「おもしろさ」の正体に迫った一書。

『百鬼夜行の見える都市』田中貴子(ちくま学芸文庫、2002年12月)

 「鬼」や「百鬼夜行」という言葉にこだわり、歴史学や都市論の成果を駆使して、怪異を語る人々の心性をときあかした画期的研究。同著者『悪女伝説の秘密』(角川文庫、2001年)では染殿后説話も扱っている。


佐野誠子氏のおすすめ

『中国古典小説選2 六朝志怪』佐野誠子(明治書院、2006年)

 六朝志怪について、怪異、妖怪、鬼神、神霊等テーマ別に話を集め、書き下しと訳を施した中国古典小説選の一冊。本シリーズには、六朝志怪の他、唐代、宋代の志怪、清・蒲松齢『聊斎志異』なども収められている。


高谷知佳氏のおすすめ

『中世日本の予言書<未来記>を読む』小峯和明(岩波新書、2007年1月)

 奇怪なイメージに満ちた「予言書」が、混迷する中世社会の人々にどのように読み解かれたかを描く一書。未来や過去に対する人々のまなざしから、彼らにとっての「歴史叙述」を見出す。

『大飢饉、室町社会を襲う!』清水克行(吉川弘文館・歴史文化ライブラリー、2008年7月)

 室町社会の人々の危機対策を通して、彼らの持つ合理性と呪術性の両面をヴィヴィッドに描いた書。怪異の溢れる前近代社会の人々は決して呪術性一辺倒ではない。同著者『日本神判史』(中公新書、2010年5月)も面白い。

『室町人の精神』桜井英治(講談社学術文庫、2009年7月。初出「日本の歴史」巻一二、2001年10月)

 複雑あるいは混迷と思われる室町時代の政治史・社会史・文化史を重層的に描き、そのような時代だからこそ生みだされた経済や贈与の驚くようなメカニズムを浮き彫りにする。時代の全体像を見渡せる一書。


南郷晃子氏のおすすめ

『ベナンダンディ―16・17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼―』C.ギンズブルグ(せりか書房、1986年2月)

 古代農耕儀礼のなごりであるベナンダンディ信仰がいかにして「悪魔崇拝」になったのかを明らかにする。「よくわからない」ものが、支配者の言語体系のうちに整理されていく様は圧巻。

『江戸怪談集』高田衛編・校注(岩波文庫、1989年1月~6月)

 上中下巻が出ており、全巻揃えて読みたい。『諸国百物語』(下巻)など江戸時代の代表的な怪談集を手軽に読むことができる。巻末には採録の怪談集についての簡潔でわかりやすい解説がついている。

『対談集 妖怪大談義』京極夏彦(角川書店、2005年6月。文庫版2008年6月)

 「妖怪」をテーマにおいた対談集。個々の対談の面白さも抜群だが、通して読むと「妖怪」をめぐる言論世界の見取り図を描ける。その中でなぜ「怪異」学会なのかもすっと理解することができる。


木場貴俊氏のおすすめ

『江戸の妖怪革命』香川雅信(河出書房新社、2005年8月)

 娯楽など十八世紀後半の都市文化に、現在の「妖怪」文化へ至る特質を見いだした一書。今後の近世怪異研究では避けて通れない画期的な書である。

『江戸文化をよむ』倉地克直(吉川弘文館、2006年5月)

 単に作品を列記しただけではなく、文化を通して江戸時代の歴史像を描いた一書。同著者『全集 日本の歴史11 徳川社会のゆらぎ』(小学館、2008年11月)も社会史的なアプローチで書かれた通史として必読の書。

『安藤昌益からみえる日本近世』若尾政希(東京大学出版会、2004年3月)

 思想形成や書物、政治常識など現在の近世思想・文化史研究の水準を知るための一書。また同著者の呼びかけによる研究会雑誌『書物・出版と社会変容』(現在11号)は一橋大学からインターネット公開されている。


笹方政紀氏のおすすめ

『疱瘡神 江戸時代の病いをめぐる民間信仰の研究』H.O.ローテルムンド(岩波書店、1995年3月)

 疫病の中でも特に疱瘡の神について、さまざまな対処法を列挙し、その庶民信仰の発生過程を探っている。疱瘡神除けに使用された「疱瘡絵」なども数多く掲載されており、見るだけでも楽しい一冊。

『流言蜚語 うわさ話を読みとく作法』佐藤健二(有信堂高文社、1995年3月)

 人頭牛身の化物「件(くだん)」の噂話について、①内包する固有の不安、②人と牛との境界の意義、③書物や印刷物などのメディアの作用、といった観点から、読み解く後半部は、たいへん興味深い。

『疫神と福神』大島建彦(三弥井書店、2008年8月)

 疫神については、疫神送りの儀礼や疫病退散の呪符などを中心にまとめられている。また、同著者の『疫神とその周辺』(岩崎美術社、1985年9月)は、近世における疫神の歓待について詳しい。


佐々木聡氏のおすすめ

『中国妖怪伝―怪しきものたちの系譜―』二階堂善弘(平凡社新書、2003年3月)

 民俗信仰や古典小説などの研究で有名な二階堂善弘氏が、『山海経』『西遊記』『封神演義』などに登場する妖怪たちを軽妙洒脱な筆致で描く妖怪本。姉妹編にあたる『中国の神さま』(平凡社新書、2002年)も要チェック。

『儒教・仏教・道教―東アジアの思想空間―』菊地章太(講談社選書メチエ、2008年12月)

 「シンクレティズム」すなわち儒教・仏教・道教が「ごたまぜ」になった東アジアの精神世界を、欧米文化との比較も交えて描き切った一冊。著者は東洋大で百二十年ぶりに妖怪学講義を復活させた二代目井上円了としても有名。

『神道人心―唐宋之際敦煌民生宗教社会史研究―』余欣(中華書局、2006年3月)※中国語

 新進気鋭の敦煌研究者・余欣氏の代表作。中日欧米を股に掛けた研究活動に基づく広い問題関心は、怪異学とも繋がる部分が多い。特に、社会史・宗教人類学などの研究を批判的に取り入れた「民生宗教」研究の枠組みは必見。


熊澤美弓氏のおすすめ

『日本幻獣図説』湯本豪一(河出書房新社、2005年7月)

 これまで組み込まれていた「妖怪」というカテゴリではなく、人々にとっての「異形の(あるいは異界の)生き物」として、絵図、新聞、写真などを多く挙げながら、「幻獣」をとらえなおした一書。

『動物妖怪譚 上・下』日野巌(中公文庫BIBLIO、2006年12月)

 本書は大正15年に発行された書の再々発行である。日本の伝説の動物について、科学者である筆者が膨大な資料を挙げながら述べている。下巻には「日本妖怪変化語彙」が付されており、こちらも興味深い内容となっている。

『江戸幻獣博物誌 妖怪と未確認生物のはざまで』伊藤龍平(青弓社、2010年10月)

 本草書に掲載された幻獣を主題として、説話と本草学の関係に着目した一書。蛇が蛸になる話やくらっこ鳥など、メジャーではないが、人々に受け入れられていた幻獣たちが伝承文学の立場から述べられている。


化野燐氏のおすすめ

『妖怪談義』柳田國男(講談社学術文庫、1977年4月)

 柳田國男の妖怪研究の総決算的な著書。コラムでもふれたとおり現在の一般的な妖怪イメージの形成に大きな影響を与えた「妖怪名彙」も収めており、近代のモノとコトの関連を考える上でも必読の一冊。

『文庫版 妖怪の理 妖怪の檻』京極夏彦(角川文庫、2011年7月)

 学問の領域の資料だけでなく、マンガや児童書、映像作品などの通俗的メディアと関わりながら、われわれの抱く妖怪イメージが形成されてきた複雑な過程を、平易な言葉で見事に解きほぐす画期的な書物。



☆最新刊「怪異を媒介するもの」の中で紹介された、当会会員による著書の中から、手に入りやすい一般書を中心にご紹介します。
怪異学とその周辺に興味のある方におすすめです!(執筆掲載順)

「日本古代の神と霊」大江篤(臨川書店、2007年3月)

 天変地異、政変が巻き起こす争乱、人智を超えた現象、天皇の不予―。古代に生きた人々は、常に様々な脅威に曝されていた。古代国家は、人心を掌握し王権を維持するため、人々を取り巻く脅威を取り除かねばならなかった―「神」「霊」、それは「脅威」を惹き起こす存在である。種々の脅威は、荒ぶる「神」や「霊」を鎮めることで払拭される。鎮めの力を有することは、王権にとって、国家運営の生命線でもあった。「神」「霊」に関わる「祟」「怨霊」、そして「供養」をキーワードに、古代の史料を読み解きながら、人々が認知し、そして畏怖した「神」「霊」と、その背後に隠された、歴史の真相を探る試み。「神」と「霊」が照射する、古代の人々の心のうちにせまる論作集。(「BOOK」データベースより)

「聖地の想像力―参詣曼荼羅を読む」西山克(法蔵館、1998年5月)

 参詣曼荼羅霊場の案内絵図が語る中・近世の未知の世界。「善光寺参詣曼荼羅」など五大曼荼羅をテクストとして、特定の霊場を“聖地”とみなす民衆の想像力を読み解く。歴史学・宗教史・美術史・国文学・民族学・建築史・地理学分野の必読書。(「BOOK」データベースより)

「律令天皇制祭祀の研究」榎村寛之(塙書房、1996年3月)

「祭祀」とは何か。本書は四つのテーマ、王権継承儀礼、伊勢神宮祭祀、斎王制、都城祭祀について、単なる個別実証の分析ではなく、いずれも律令天皇制と国家祭祀・宮廷祭祀の関係を基調にし、古代国家の支配構造の研究の一環として実証。律令国家における支配イデオロギーの可変的性格、制度史研究だけでは把握できない部分について究明する。(塙書房書籍紹介より)

「伊勢斎宮と斎王―祈りをささげた皇女たち」榎村寛之(塙書房、1996年3月)

 古代から中世のなかばまで、天皇に代わり、皇族の女性が伊勢神宮に仕えた。その女性を斎王(斎宮)といい、謎に包まれた部分が多い。各時代での存在意義やその生活などを明らかにし、当時の人々の信仰・宗教観を考える。また、斎宮跡周辺の散策ポイントも紹介する。 (「BOOK」データベースより)

「伊勢神宮と古代王権」榎村寛之(筑摩書房、2012年3月)

 伊勢神宮には二つの顔がある。一つは、伊勢地域に実際に存在する地域神社としての顔。もうひとつは、中央政権が構想した、天照大神がいるとされる国家的存在としての顔だ。両者をつなぐ存在が天皇の代わりに神宮を奉斎する斎王であった。伊勢と天皇はなぜ、いかにして結びついたか。中央政府にはどんな思惑があったのか。政治の変動に翻弄され斎宮が衰えゆくなか、神宮はいかなる変容を遂げ、現在に至るのか―。王権・神官・斎王という三者の関係から、伊勢神宮とは何かを問いなおす。(「BOOK」データベースより)

「日本年号史大事典」所功、共著 久禮旦雄 他(雄山閣、2014年1月)

 日本の歴史・文化を知る上で不可欠の「年号」。「大化」から「平成」まで、そのすべてがこの1冊でわかる! 歴史ファン、古美術・伝統芸能愛好家など必携!(雄山閣書籍紹介より)

「日本霊異記と東アジアの仏教」山口敦史(笠間書院、2013年3月)

 本書は『日本霊異記』を当時の仏教思想に影響された言説としてとらえ、「ことば」の原拠から背景にある思想性を考察する。積極的に大陸文献との比較検討を行い『日本霊異記』説話の主題や思想の問題を解明する。比較文学の方法を用いることで、影響関係を単に典籍の舶載状況・語句の共通という出典論的研究に終始するだけではなく、仏教的知性の人的交流や寺院の学問的・経済的活動、さらには地域の土着伝承なども考慮に入れた実証的研究として展開していく。(「BOOK」データベースより)

「モノと図像から探る怪異・妖怪の世界」天理大学考古学・民俗学研究室編 化野燐 他(勉誠出版、2015年3月)

 怪異の世界へようこそ!
弥生土器に描かれた線刻画、鏡の文様にみる想像上の動物たち、瓦に造形された鬼や幾何学模様。 考古学・民俗学が研究対象とする遺物や遺跡、儀礼や祭礼の世界には、怪異・妖怪現象を探る素材があふれている。 2つの分野の研究を駆使し、怪異の世界を掘り下げていく新たな挑戦!(勉誠出版書籍紹介より)

「図像学入門 疑問符で読む日本美術」山本陽子(勉誠出版、2015年11月)

 観音にはひげがある?なぜ絵巻は右から左へみるの? 写生画が写実ではない?絵画や仏像などのさまざまな疑問・謎を図像解釈学(イコノロジー)から探り、日本美術の新しい楽しみ方を提案する。(勉誠出版書籍紹介より)

「絵巻の図像学」山本陽子(勉誠出版、2012年5月)

 『伴大納言絵詞』『鳥獣戯画』『源氏物語絵巻』など中世の絵巻には、現代の視点で見れば何とも奇妙な表現がちりばめられている。なぜそのように描かれたのか。絵師の発想・意図から中世文化を考察する。(「BOOK」データベースより)

「無意識という物語-近代日本と「心」の行方-」一柳廣孝(名古屋大学出版会、2014年5月)

 重なりあうる科学とフィクション。フロイト精神分析や「無意識」の受容は、日本における「心」の認識をどのように変化させたのか。民俗的な霊魂観と近代的な心身観がせめぎあう転換期を捉え、催眠術の流行や文学における表象をも取り上げつつ、「無意識」が紡ぎ出した物語をあとづける「心」の文化史。(「BOOK」データベースより)

「近世勧進の研究―京都の民間宗教者」村上紀夫(法藏館、2011年11月)

 本願・木食聖・十穀聖・仏餉取から、桂女・万歳…新視点で描き出す、彩り豊かな勧進の文化史。(「BOOK」データベースより)

「まちかどの芸能史」村上紀夫(解放出版社、2013年7月)

 中世から近世にかけて、路上や軒先で演じられた多様な芸能が人びとを楽しませた。 次々と新しいものが生まれては消えていった芸能(者)に光をあて、 多様な芸能どうしの影響関係や社会、中近世の「まちかど」を描き出す。(解放出版社書籍紹介より)

「跋扈する怨霊―祟りと鎮魂の日本史」山田雄司(吉川弘文館、2007年7月)

 長屋王、菅原道真、崇徳院…。非業の死を遂げ、祟りや災いを起こした怨霊は、為政者により丁寧に祀られた。虚実とりまぜて論じられがちな怨霊の創出と鎮魂の実態を実際の史料に基づいて辿り、怨霊を時代の中に位置づける。(「BOOK」データベースより)

「怨霊・怪異・伊勢神宮」山田雄司(思文閣出版、2014年5月)

 古代・中世社会で大きな意味をもち、社会の底流で歴史を動かしてきた怨霊・怪異。早良親王・菅原道真・崇徳院などの怨霊や、様々に記録・伝承される怪異など、その諸相を歴史的に跡づける。さらには親鸞や伊勢神宮といった、神と仏をめぐる領域をも射程に入れて集大成する。(「BOOK」データベースより)

「怨霊とは何か - 菅原道真・平将門・崇徳院」山田雄司(中央公論新社、2014年8月)

 怨霊とは死後に落ち着くところのない霊魂である。古来、日本では怨霊が憑依することによって、個人的な祟りにとどまらず、疫病や天変地異など社会に甚大な被害がもたらされると信じられてきた。三大怨霊と称される菅原道真、平将門、崇徳院は死後、いかに人々を恐怖に陥れたのか。そして、どのように鎮魂がなされたのか。霊魂の存在から説き起こし、怨霊の誕生とその終焉、さらに近代の霊魂文化まで概観する。(「BOOK」データベースより)

「古代日本と中国文化 受容と選択」水口幹記(塙書房、2014年10月)

  第一部「祥瑞・呪符・占術」では中国思想・文献が日本に与えた影響などを検討し、第二部「時間・音・感性」では日本古代の時間意識と音、発音、視覚などについて考察し、歴史学研究・文学研究の手法を用いて、日本の古代を中心とした中国文化の受容や選択の問題の解明を試みる。(塙書房書籍紹介より)

「渡航僧成尋、雨を祈る-『僧伝』が語る異文化の交錯-」水口幹記(勉誠出版、2013年6月)

 平安後期に中国へ渡り、彼の地で生涯を終えた天台僧「成尋」。皇帝より要請された祈雨を成功させ、大師号を賜ったその功績は、中国で華々しく活躍した先達として、日本の数々の高僧伝において取り上げられている。しかし、中国側史料には、この一連の祈雨成功については一切語られていなかった―成尋の書き残した渡航日記『参天台五臺山記』、そして中国側史料を精査することで見えてきたものとはいったい何か…語り、語られることで交錯する異文化の諸相を立体的に捉え、文化・歴史とは何かを再考する新たな歴史学。(「BOOK」データベースより)

「近世陰陽道組織の研究」梅田千尋(吉川弘文館、2009年2月)

 江戸時代の陰陽師は、身分制社会をどのように生きたのか?科学・宗教・呪術が交差した陰陽道の範疇とは?既存の枠組では捉えがたい陰陽師の存在形態や組織構造、土御門家との関係、天文・暦学(知)との関係を描く。(「BOOK」データベースより)

「岡山の妖怪事典―妖怪編」木下浩(日本文教出版、2014年7月)

 メジャーな妖怪の岡山版から、岡山独自の妖怪まで、岡山の文献に記載されている多種多様な妖怪を、「人体を為す妖怪」「半人半動物の妖怪」「動物体を為す妖怪」など5分野に分けて紹介する。(「MARC」データベースより)

「中国古典小説選2 捜神記・幽明録・異苑他<六朝 I >」佐野誠子(明治書院、2006年11月)

 幽霊・精霊との遭遇~志怪の世界へ。六朝時代の志怪書、いわゆる「六朝志怪」の作品を収録。多種多様な文化の中で生まれたこの時代の作品は、さまざまな怪異の小話、山・川などの地理に関する異聞や珍しい動植物についての小話、仙人の方術・仙術にまつわる小話、仏教信仰による奇跡や仏教の教理を説く小話など、多彩を極める。(「BOOK」データベースより)

「台湾道教における斎儀―その源流と展開」山田明広(大河書房、2015年3月)

 華僑を通じて世界各地にもたらされた「過去の道教」と「現在の台湾の道教」の両方についての分析した儀礼研究。(大河書房書籍紹介より)

「沖縄の魔除けとまじない―フーフダ(符札)の研究」山里純一(第一書房、1997年2月)

 沖縄の人たちのあいだで生きている、フーフダと通称されている呪符については、ほとんど知られていない。本書は、その呪符を中心に、呪いなどについて、広く且つ詳細な検討を加えた初めての本格的労作である。(「BOOK」データベースより)

「古代の琉球弧と東アジア」山里純一(吉川弘文館、2012年4月)

 古来、独自の文化を紡ぎ、その地勢から日本史の埒外とされてきた琉球弧(琉球列島)の歴史が今、問い直されている。『続日本紀』などの文献史料と考古資料を駆使し、赤木・ヤコウガイなどの交易物から、古代琉球弧が甦る。(「BOOK」データベースより)

「アレクサンドロス変相 ―古代から中世イスラームへ―」山中由里子(名古屋大学出版会、2009年2月)

 大王が征服した広大な地域に流布した伝承を、宗教・政治・歴史の分野にわたって、アラブ・ペルシアの多様なテクストにたどり、語りや図像の担い手たちが求めた「真実」に迫る。アレクサンドロスが内包する本質と、古代世界の遺産を受けいれ再解釈していくムスリムの精神史をみごとに浮かび上がらせた力作。(名古屋大学出版会書籍紹介より)

「〈驚異〉の文化史―中東とヨーロッパを中心に―」山中由里子(名古屋大学出版会、2015年10月)

 驚異の比較研究に挑戦。アレクサンドロスも遭遇したという怪物から、謎の古代遺跡や女だけの島まで、たえず人々の心を魅了してきた“驚異”。旅行記や博物誌が語り、絵画や装飾品に表れるその姿は、人間の飽くなき好奇心について何を教えてくれるのか。“驚異”の「黄金時代」であった中世以来の精神史を細やかかつ大胆に描き出す。(「BOOK」データベースより)





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