研究会案内
東アジア恠異学会
第141回定例研究会/第15回オンライン研究会
日時:2023年3月26日(日)15:00〜
場所:対面・オンライン併用
園田学園女子大学1号館第2会議室またはzoomにて
当日は13:30〜、本年度の総会も実施予定です。会員のみなさまは、どうぞご予定ください。
対面・オンライン併用での実施を予定しております。
参加ご希望の方は、フォームより参加形式をお選びください。
また、対面での参加については、会場の園田学園女子大学で
来学者を管理する必要がありますので、できるだけ
本名(または業務上の通名)での登録をお願いいたします。
※参加ご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みください。
(3月24日(金)正午まで)
(https://forms.gle/RkoSAQ6ZmCDkKdZ56)
内容:
○「「一目連」考—情報の連鎖と拡大—」
ー村上紀夫氏(奈良大学教授)
【要旨】
三重県の多度神社の境内に別宮の一目連神社がある。現在、その祭神は天目一箇命とされているが、近世の地誌類には「一目連」を祀るとある。神の出現時には暴風を伴うとされ、社殿には神の出入りを妨げないように扉を設けないという。
一目連の解釈について、比較的早期に言及し、その後の言説に大きな影響を与えたのは柳田國男の「目一つ五郎考」である。その後も山の神信仰や風雨の神格化、一つ目小僧など「妖怪」とのかかわりでも論じられてきたが、一目連は山や風雨の神として見られる一方で、一種の「妖怪」に近いものとして学問的な議論の俎上に上がってきたのである。こうした議論の出発点として、妖怪が神の零落したものだという柳田の零落論があった。
柳田による「目一つ五郎考」の冒頭に多度社に境内にある祠に神として祀られる一目連が登場していたのは、柳田が自説の論証にあたって、まず一方の「端」に定点となる一つ目の「神」を配置するためであった。
本報告では、一目連について文献史料を時系列に沿って読み解くことで、一目連についての基本的な事実を確認し、一目連像自体が時代とともにどのように推移しているかを明らかにしたい。また、個々の史料の記述だけではなく、それらの記述がどう読まれて、解釈されていくかにも注意したい。聊か迂遠な方法であるが、柳田が「神」として設定した一目連が定点たりうるかを確認することは、柳田の神と妖怪にかかる議論そのものについて検討することにもなるだろう。
*オンライン開催ではありますが、講演会ではなく研究会でありますので、
ご参加の方は、ご遠慮なくご意見ご発言ください。
*当会は学術団体ですが、参加資格・制限は特に設けておりません。
当会にご興味のある方は直接研究会においでいただくか、事務局にお問い合わせください。