研究会案内


 東アジア恠異学会
 第142回定例研究会/第16回オンライン研究会
 日時:2023年5月21日(日)13:00〜
 場所:対面・オンライン併用
   (園田学園女子大学またはzoom)

*対面・オンライン併用での実施を予定しております。
参加ご希望の方は、フォームより参加形式をお選びください。
対面でご参加の方も、申込みをお願いいたします。

※参加ご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みください。
 (5月19日(金)正午まで)
 (https://forms.gle/bAqMVaarATRTuwkZ9


内容:
○「中世日本における宿曜道の衰退と展開——空間と祭祀への着目から」
 ー濱野未来氏(立命館大学大学院博士後期課程)

【要旨】

中世日本において、吉凶判断のための技術・占術は、生活における指針の一つであった。様々なレベル・種類の占術を担った存在として、陰陽師・宿曜師などが挙げられる。彼らの吉凶判断の源流には、災異瑞祥思想・天人相関説があり、加えて、日常と異なる現象が判断対象とされることも多く、陰陽師・宿曜師らによる占術は「怪異」や災異とも常に密接な関係にあった。
こうした占術を担った存在のなかでも、宿曜道と称される知識・技術を有した宿曜師は、院政期から鎌倉期にかけて活発な活動をみせ、文化面や思想面での非常に大きな影響を与えた。しかし、その後室町期に入ると宿曜師の活動は急速に見られなくなり、同時期に宿曜道は衰退・廃絶するとされてきた。しかし一方で、室町期以降においても、宿曜道の影響が窺える史料は存在することから、中世後期における宿曜道衰退の是非や、その背景については未だ検討の余地があるといえる。
そこで本報告では、宿曜師の拠点とされる「北斗堂」の検討と、宿曜道祭祀の性質について検討することにより、如上の課題について考察を試みる。また翻って、「怪異」や災異をめぐる中世人の認識を把握するための前提として、宿曜道に関する基礎的事実の検討が、怪異学研究の一助となればと考える。


○「天狗礫考」
 ー高遠氏(金沢大学大学院)

【要旨】

「天狗礫」という言葉は、現在一般的になじまれた用語として定着している。どこからともなく突然に石が飛んでくる現象を、天狗と山との深い関係で、天狗礫と名付けられたことは、極普通に認識されているようである。
 本発表は、天狗が礫を打つことと、「天狗礫」を主な考察対象とする。従来では、あまり意識されてこなかった「天狗礫」の生成、発展と変遷について解明することを目的とする。これにより、歴史学からの「天狗礫」研究の一歩となることを期待している。
南北朝時代にみえはじめた天狗が礫を打つ認識は、江戸時代に入っても受け継がれていった。江戸初期では、天狗と礫は何らかの関係をもつものと認識されていた。それは、中世の名残である。こうした認識は次第に変化をみせ、一七世紀後半に「天狗礫」という呼称が成立した。そして、一八世紀後半より、「天狗礫」は勢いよく普及していった。


*オンライン開催ではありますが、講演会ではなく研究会でありますので、
 ご参加の方は、ご遠慮なくご意見ご発言ください。




*当会は学術団体ですが、参加資格・制限は特に設けておりません。
当会にご興味のある方は直接研究会においでいただくか、事務局にお問い合わせください。


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