刊行書籍案内



東アジア恠異学会では研究の成果をまとめ、
これまでに7冊の書籍を刊行しています。
どの本も一般書店で手に入りますので、
ご興味のある方は是非一度お手にとってご覧くださいませ。

 『怪異学講義:王権・信仰・いとなみ』(勉誠出版)

445p / A5判(2021/09/30 出版)
ISBN 978-4585320074

〜目次〜
序論 怪異学の視点◉大江篤

総論 怪異学とは何か
日本の怪異・中国の怪異・その西方の驚異◉榎村寛之
国家統治と怪異◉久禮旦雄
通俗信仰と怪異―前近代中国の基層社会における災異受容史◉佐々木聡

各論 怪異から考える
第一部 王権と怪異◉久禮旦雄
社寺と怪異―春日社の山木枯槁を中心に◉山田雄司
奇談と武家家伝―雷になった松江藩家老について◉南郷晃子
鎌倉幕府と怪異―『吾妻鏡』の怪異を読む◉赤澤春彦
幕末の陰陽頭・朝廷と天変◉杉岳志
【コラム】古代日本への「天」の思想の伝来◉細井浩志

第二部 信仰と怪異◉久留島元・佐々木聡
勝利に導く祖霊◉佐藤信弥
霊験・神異・感通―中国仏教における怪異なるものへの態度◉佐野誠子
道教と神降ろし◉山田明広
天狗信仰と文芸◉久留島元
疫病と化物 ◉笹方政紀
【コラム】祟る「水子霊」◉陳宣聿

第三部 人のいとなみと怪異 ◉木場貴俊
村と怪異◉木下浩
近世京都の小社と怪異◉村上紀夫
怪物を食らう◉木場貴俊
絵巻の中の神と「モノ」―目に見えぬものをいかに描くか◉山本陽子
【コラム】石を降らせるのはなにものか?◉化野燐

あとがき◉大江篤

執筆者紹介

 新論集『怪異学講義:王権・信仰・いとなみ』(勉誠出版)が発刊されました!
古記録や歴史書、説話、伝承、絵画といったあらゆる資料を渉猟し、王権・政治・祭祀・信仰・寺社・都市・村・生活・暮らしなど多様な視点から「怪異」とそれに対する人々のいとなみを読み解いています。


 『怪異学の地平』(臨川書店)

356p / A5判(2019/02/14 出版)
ISBN 978-4653044482

〜目次〜
序文(西山克)

1.〈怪異〉をめぐる言葉の定着
日本古代の「怪」と「怪異」―「怪異」認識の定着―(大江 篤)
異と常―漢魏六朝における祥瑞災異と博物学―(佐々木聡)
日本古代の「祟」の成立とその周辺―西大寺の建設をめぐって―(久禮旦雄)
室町時代石清水八幡宮の怪異(山田雄司)
近世怪異が示す射程―ひろたまさきの「妖怪」論を手がかりにして―(木場貴俊)

2.〈異〉〈他〉の広がりと認識
妖怪・怪異・異界―中世説話集を事例に―(久留島元)
「キリシタン」の幻術―『切支丹宗門来朝実記』系実録類と地域社会の「キリシタン」―(南郷晃子)
六朝志怪における西方仏教説話の選択受容(佐野誠子)
海の驚異―異界・異類についての博物誌と物語をめぐって―(近藤久美子)

3.〈神仏〉と〈化物〉の間
「妖怪」を選ぶ(化野燐)
「件(くだん)」の成立―近世の古代的言説「近世的神話」の中で―(榎村寛之)
護符信仰と人魚の効能(笹方政紀)
蜘蛛塚考(村上紀夫)
睡虎地秦簡『日書』詰篇にみる神・鬼・人―『日書』の担い手を探る―(大野裕司)

特別寄稿:地平の彼方と椽の下(京極夏彦)

あとがき(大江篤)

 『怪異学の地平』(臨川書店)が発刊されました。
年間テーマとして取り組んだ「<他>の認識と怪異学」の成果をまとめた内容となっております。


 『怪異を媒介するもの』 (アジア遊学 187)(勉誠出版)

296p / A5判(2015/08 出版)
ISBN 978-4-585-22653-6

〜目次〜
はじめに 大江篤

Ⅰ 記す・伝える
霊験寺院の造仏伝承―怪異・霊験譚の伝播・伝承 大江 篤
『風土記』と『儀式帳』―恠異と神話の媒介者たち 榎村寛之
【コラム】境界を越えるもの―『出雲国風土記』の鬼と神 久禮旦雄
奈良時代・仏典注釈と霊異―善珠『本願薬師経鈔』と「起屍鬼」 山口敦史
【コラム】古文辞学から見る「怪」―荻生徂徠『訳文筌蹄』『論語徴』などから 木場貴俊
「妖怪名彙」ができるまで  化野燐

Ⅱ 語る・あらわす
メディアとしての能と怪異 久留島元
江戸の知識人と〈怪異〉への態度―〝幽冥の談〞を軸に 今井秀和
【コラム】怪異が現れる場所としての軒・屋根・天井 山本陽子
クダンと見世物 笹方政紀
【コラム】霊を捉える―心霊学と近代の作家たち 一柳廣孝
「静坐」する柳田国男 村上紀夫

Ⅲ 読み解く・鎮める
遣唐使の慰霊 山田雄司
安倍吉平が送った「七十二星鎮」 水口幹記
【コラム】戸隠御師と白澤 熊澤美弓
天変を読み解く―天保十四年白気出現一件 杉岳志
【コラム】陰陽頭土御門晴親と「怪異」 梅田千尋
吉備の陰陽師 上原大夫 木下浩

Ⅳ 辿る・比べる
王充『論衡』の世界観を読む―災異と怪異、鬼神をめぐって 佐々木聡
中国の仏教者と予言・讖詩―仏教流入期から南北朝時代まで 佐野誠子
【コラム】中国の怪夢と占夢 清水洋子
中国中世における陰陽家の第一人者―蕭吉の学と術 余欣(翻訳:佐々木聡・大野裕司)
台湾道教の異常死者救済儀礼 山田明広
【コラム】琉球の占術文献と占者 山里純一
【コラム】韓国の暦書の暦注 全勇勳
アラブ地域における夢の伝承 近藤久美子
【コラム】〈驚異〉を媒介する旅人 山中由里子

 東アジア恠異学会の近年の研究成果をまとめた、読みやすく、わかりやすい一冊です。


 『怪異学入門』東アジア恠異学会編(岩田書院)

156p / A5判(2012/04 出版)
ISBN 978-4-87294-734-2

〜目次〜
はじめに              (大江篤)
特別寄稿 『怪異学入門』発刊によせて(京極夏彦)

第一章「怪異学を語る」
   座談会「怪異学の成果と課題」大江篤×榎村寛之×化野燐(司会・久禮旦雄)
   コラム 「柳田國男」(大江篤)/「亀」(島田尚幸)/「縁起」(鬼頭尚義)

第二章「怪異学を学ぶ」
   古代史料(史書・法典)と怪異(久禮旦雄)
   説話集と怪異(久留島元)
   古記録と怪異(高谷知佳)
   近世学芸と怪異(木場貴俊)
   中国社会と怪異(佐々木聡)
   コラム 「神社」(榎村寛之)/「志怪」(佐野誠子)/「城」(南郷晃子)
       /「疫病神」(笹方政紀)/「白澤」(熊澤美弓)

第三章「怪異学を辿る」
   インタビュー「怪異学の軌跡」 西山克(聞き手・高谷知佳)
   コラム 「化け物」(木場貴俊)/「妖怪」(化野燐)/「魔」(久留島元)

附録 さらに学びたい人のために(ブックガイド)

 東アジア恠異学会設立十周年を記念して、その研究成果のエッセンスを手に取りやすく、読みやすく凝縮した一冊。
 第一章「怪異学を語る」、第二章「怪異学を学ぶ」、第三章「怪異学を辿る」の三部構成。
 コラムやブックガイドも収録した、入門にも最適な一冊です。


 『怪異学の可能性』東アジア恠異学会編(角川書店)

398p / 19cm / B6判(2009/03/25 出版)
ISBN 9784048850100

〜目次〜
序章「怪異学」の目指すもの:榎村寛之

第1部 律令国家の形成と「フシギ」の認識史
    第一章 奈良・平安時代の人々とフシギなコト:榎村寛之
    第二章「祟り」「怨霊」、そして「御霊」-神霊を語る者:大江篤
    第三章「恠異学」の先人たち-古代史・文化史・王権論-:久禮旦雄

第2部 中世 多元化する国家・社会と「フシギ」の展開史
    第一章 鎌倉時代の怪異:山田雄司
    第二章 室町時代宮廷社会の精神史―精神障害と怪異:西山克
    第三章 室町王権と都市の怪異:高谷知佳
    コメント 能の「不思議」-能における霊魂観-:永原順子
    第四章 西洋中世史研究と怪異学―前近代史の共通言語を目指して:黒川正剛

第3部 近世社会と怪異―近代に至る道筋を探す
    第一章 近世社会の成立と近世的怪異の形成:木場貴俊
    第二章 近世・近代の「怪異」と国家/社会:戸田靖久

私たちの「怪異」現代の中の「怪異」と怪異:京極夏彦

あとがき 大江篤

 「古代・中世・近世と様々な時代の文献の中には、「恠異」という言葉や、「不思議な こと」「あやしいこと」の記述が多数存在する。それらは、時には「天」や「神」にか かわるとされ、また時には諸権力によって意図的に改変され、流布されてきた。つまり 国家を統治する上で、「恠異」は一つの重要なシステムとして機能させられてきたこと を意味する。
 歴史上、不思議なことは、あらゆる時代や地域において見出される。本書は、それら が日本ではどのように説明されてきたか、「恠異」を人々がどのように認識してきたか を読み解き、その背景に広がる文化と社会のあり方をとらえる試みである。」


 『亀卜―歴史の地層に秘められたうらないの技をほりおこす―』
 東アジア恠異学会編(臨川書店)

270p / 19cm / B6判(2006/05/30 出版)
ISBN 9784653039624

〜目次〜
はじめに 西山克
1章 日本古代史
     亀卜と怪異ー媒介者としての卜部ー 大江篤
     ◎コラム 斎宮と亀卜 榎村寛之
     ◎コラム 吉田家の出自 岡田莊司
2章 中国古代史
     殷代の甲骨による占いと卜辞 浅原達郎
     ◎コラム 中国六朝の『亀経』と神祇官の卜部の亀卜法 北條勝貴
3章 考古学
     考古資料から見た古代の亀卜・卜甲と卜部 笹生衛
     ◎コラム 中世の亀卜と卜部 西岡芳文
     ◎コラム 皇統と亀 西山克
     ◎コラム 中世文学における亀 田中貴子
4章 民俗学
     ウミガメ捕獲習俗からみた卜甲調達の地域と技術 藤井弘章
     ◎コラム 彌彦神社の卜甲と文書 杉山林繼
5章 動物学
     動物学からみた「亀」卜考 島田尚幸
     ◎コラム 卜甲にカンする文献に対する生物学的解釈 亀崎直樹
6章 実験レポート
    灼甲の実験ー『対馬亀卜談』の方法ー 戸田靖久
    特別寄稿 鈴鹿家亀卜関係資料 加茂正典
あとがき 大江篤

 東アジアで古代より行われてきた占い〈亀卜〉。わが国の王権は、この卜占法を掌握 することで、怪異を認知し、王権の危機管理を行ってきた。国家の重大事に用いられた にも関わらず、亀卜の技法は秘事・口伝であったため、全容は明らかにされていない。
 本書は、東アジア恠異学会・國學院大學COEプログラム共催シンポジウムから生ま れた亀卜についての論考集。怪異学はもとより、歴史学・動物学・民俗学・考古学など 学際的な共同研究のもとで、ウラを読む技と知を考える。


 『怪異学の技法』東アジア恠異学会編(臨川書店)

432p / 21cm / A5判(2003/11/20 出版)
ISBN 9784653038467

〜目次〜
【 怪 】
京極夏彦(作家) ◎モノ化するコト ―怪異と妖怪を巡る妄想
山田雄司(三重大学助教授) ◎ 怪異と穢との間 ―寛喜二年石清水八幡宮落骨事件
黒川正剛(大阪短期大学講師) ◎ 西欧近世における〈怪異〉―驚異と神について
【 怨 】
大江 篤(園田学園女子大学助教授) ◎ 川原寺と怨霊 ―伊予親王の霊をめぐって
徳永誓子(京都大学研修員) ◎ 刑部僧正長厳の怨霊
【 祀 】
榎村寛之(斎宮歴史博物館学芸員) ◎ 平安宮の鬼と宮廷祭祀
佐伯智広(京都大学院生博士) ◎ 賀茂別宮と徳大寺家―家と怪異
村上紀夫(大阪人権博物館学芸員) ◎ 「繁昌神社」考 ―洛中小社研究序説
黒田 智(日本学術振興会特別研究員) ◎ 絵師としての小野篁
【 象 】
梅沢 恵(早稲田大学院生博士) ◎ 熊野曼荼羅に顕れた雷電神
田中貴子(京都精華大学助教授) ◎ 「異形賀茂祭図巻」と「百鬼夜行絵巻」
米津江里(神戸大学院生博士) ◎ 近世書物にみる胎児観 ―女性用書物を中心に
【 性 】
堤 邦彦(京都精華大学教授) ◎ 生首をいとおしむ女 ―偏愛奇談の時代
木場貴俊(岡山大学院生修士) ◎ 林羅山と怪異
【 顕 】
西山 克(関西学院大学教授・学会代表) ◎ 物言う墓
太田 出(神戸商科大学助教授) ◎ 関帝廟という装置 ―関聖帝君の顕聖との関わりを中心に
戸田靖久(関西学院大学院生博士) ◎ 安史の乱異聞

 「怪異」はどのように起こったのか、「怪異」を人々はどう受けとめたのか、そして「怪異」の背後にひそむものは何か。 現在まで歴史学研究の枠外におかれてきた「怪異」を歴史から汲み上げ正規の研究対象として読み解くことで、 浮かび上がる新たな「歴史」を探る、まさに新機軸の一書。


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